kou

劇場版 テレクラキャノンボール2013のkouのレビュー・感想・評価

3.0
AVでのシリーズを初めて映画として作品化された。今作の存在を映画関係の本で知るまで全く知らなかったのだが、今作はAVというよりやはりドキュメンタリー映画的な一面が強い。どれだけSEXの内容を攻められるかという精神的なせめぎあいになっていくのがドラマを生む。

今作を見て「男ってバカだな」と切り捨てることはできるし、もちろん根底にはくだらなさ、コメディの要素が漂うのだが、そのバカバカしさ、くだらなさの中に「何かに熱中する輝き」のようなものが内包されているのが見どころ。どこまで「立つ」のか、という男なら誰もが共感する葛藤は、もはや努力を超えて「立たせる」その姿に賞賛さえ生まれる。そして、そのどこまでできるのか、「やるかやらないかならやる人生を選ぶ」というその精神の行く末に笑いながらも感動すらあるのが面白い。

また、人間というのは何かに物語性を見つけ、自分の中で昇華していく生き物なのだろうなと感じた。ただのゲーム。しかしそこに継承であったり、因縁であったり、過去から現在へと続く想いを載せることで物語性を生ませる。そうやってドラマというのは作られていくのだなと思った。ただの旅、ただのSEX。しかしそこには人間味があふれるのだ。
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