すっかりジャンル映画おじさんなリーアム・ニーソンによるハイジャックもの。アル中の保安官ということもありロジックより先に手が出てしまうところが玉にキズである。その危うさが逆にいい味を出しているというかスリルを生んでいてよい。
全体の構成としては乗客の中から犯人を探すというやつ。作りとしては面白いが、ちょこちょこ粗があるというか、無理矢理感が否めないのもある。犯人が一般乗客の胸ポケットにスマホ入れるとか。
スマホによるメールのやり取りで進んでいくというところは観ている側も犯人探しをする上のヒントやキーになるし、すごく面白かった。
リーアム・ニーソンなので狭いスペースに囲まれたときのアクションはさすが。動きの速さと咄嗟の機転の利かせ方が素晴らしい。逆に言うとアルコール入ってない割には洞察力が鈍ってるのはどうかと思った。むしろアル中なんだから飲んだ上で本領発揮とかも面白かったのでは。
冒頭シーンから滲み出るリーアム・ニーソンの哀愁、そして小さな子供に話しかけるときのあの柔和な表情は彼の持ち味。
物語の着陸のさせ方はもうちょいあったのではとも思ったりするのとリーアム・ニーソンが犯人の台本どおりに動きすぎてる点はちょっと気になったけれどスリルあり推理ありアクションありハートウォーミングありと要所はすごく捉えられている作品で楽しかった。