コブラ改めキットラトゥーラ

誘拐の掟のコブラ改めキットラトゥーラのネタバレレビュー・内容・結末

誘拐の掟(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます






「誘拐犯に告ぐ、殺したら…殺す!」


思わずパンツから急にチンチンがハミ出そうになる程強烈過ぎるキャッチコピーでおなじみの本作。

今や最強無敵オヤジという喜ばしい称号を手に入れたリーアムニーソンの主演作だが巷では「今度のリーアムは暴れない」「終始シリアス」「重厚なハードボイルドサスペンス」との声をよく耳にしていたので「今回は大人しい系のリーアム映画か。」と思い、何の疑いもなく本編を再生してみた。
すると白昼堂々、銃を装備した刑事のリーアムが凄い形相で強盗犯達を一人残らず的確にシューテムアップしていく地獄絵図のようなアバンタイトルが突如始まったので、一瞬ランオールナイトの方を間違えて再生していたのかと慌てた俺は急いでディスクを取り出し確認してみるとしっかり「誘拐の掟」と表記されてたのでホッとし、一旦台所へ行ってコップ一杯の水を飲んでから部屋に戻りパンツを履き替えて再び再生。


殺したら…殺す!のキャッチコピー通りのっけから殺しまくっていたリーアム。


それから時は経ち、あぶない刑事業から足を洗って私立探偵(しかも無免許)にいつの間にか転職していたリーアムは1人大人しくファミレスでコーヒーを啜りながら読書をする…そんな平穏な日常をおよそ10秒くらいで覆す恐ろしい連続誘拐事件が発生し、無免許名探偵リーアムはひょんな事から誘拐犯を追いかける事になる。

同じく誘拐犯を追いかけて殺す映画96時間では誘拐されたのが自分の娘だったので誘拐されたその日の内に現場へ急行し、驚異のハイスピード捜査で誘拐した連中から雇い主までを即見つけ出して全員皆殺しにしていたリーアムだが、本作ではあくまで他人のゴタゴタなのでやる気が無いのか、それとも俺が96時間を96時間以上見たせいなのか、誘拐犯達を見つけ出すまでの追跡の下りが非常~に長く感じて気付けば俺はリモコンの早送りボタンの上に指を置いてスタンバっていた…。

誘拐犯達は早い段階から画面に登場してるのにリーアムがそこへ到着するまでが予想以上に遅い驚異のロースピードぶりに、何回も早送りもしくはドロップアウトしそうになった俺だったが「この映画はハードボイルドでシリアスな世界を描いているんだ!96時間やダークマンの頃のリーアムは忘れろ!」と喝を入れて真剣に見ていたが結局ダレて最終的にスマホをイジりながら床でゴロゴロしていた。

……が、しかし!後半に差し掛かり、身代金と人質を交換する場面で金がニセモノと分かった犯人がリーアムの方へ振り向くとリーアムが犯人に向けて容赦なく銃を撃ちまくり…からの地下室でのタイマンの末スタンガンで滅殺へとなだれ込む突然の怒涛展開に、気が付くと俺は正座していた!

キャッチコピーが「誘拐犯に告ぐ。殺したら、殺す。」だが、人質を殺していないのにやっぱり殺すリーアムに身も心も正座させられるハードボイルドサスペンスの皮を被った無差別皆殺しアクション映画でした。

……最後に冷静になって気付いた事だが、そもそもタイトルの“誘拐の掟”って何なんだ!?笑