てくのすけ

誘拐の掟のてくのすけのレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
4.0
原作はローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズということでリーアム・ニーソン主演ながらアクションではなくクライム・サスペンス。しかしこれがシブい上に面白い!警察に届けられない誘拐、猟奇殺人の狂気、それを追う探偵。ベタついてない少年との交流ももイイ。

リーアム・ニーソンが過去に傷を持つタフな探偵ってのがすごく合っててシビれる。探偵役ってやったことあったっけ?コートの襟を立て、観察眼も鋭く、銃口を向けられても冷静に対処する、このハードボイルド!『ラン・オールナイト』とも『96時間』とも似てるようで全く違うのが面白い。

印象的なショットが色々あって、タイトルの出し方からイイし、全体的に抑えた色使いの中でのあの鮮やかな赤とか、雨の中歩きながら銃を取り出すスカダーの後ろ姿とか、ラストショットも良いなあ。長身リーアムの歩く姿を全身が映るように横から撮るのとか案外新鮮。あとTJの最後の絵!

やはりリーアム・ニーソンに常に無双を求めるのは間違いだなというのを再認識した。セガールやステイサムとはまた別次元で語るべき存在だ。あと『ラン・オールナイト』のクズ息子ダニーを演じたボイド・ホルブルックが再び共演してて、あちらとはまた別のダメっぷりがとても良かったです。
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