デヴィッド・ミショッド監督のマッドマックス的ロードムービー。
ボッサボサのガイ・ピアースが主演してますが、髭ももっさり生やして頭もちょいハゲでいい感じの枯れ具合を醸し出していて、車を取り返すために執拗に追い回す男を熱演してます。
舞台は世界が経済破綻した後10年後の世界。映画の中で喋りはしませんが坊主の中国人らしき人物がそこら中にいて、中国語が書かれた看板などもあり、中国が世界を牛耳った後というイメージなのかな？こいつらが不気味な感じに描かれていて、まだギリギリ経済活動も行われているけど荒廃が始まっている終末世界を上手く表現しているように感じました。
全体的な乾いた静かな流れの中に、ハッキリリアルなバイオレンスシーンのコントラストが素晴らしい。
何らかの理由で3人組に奪われた車を取り返そうとする男と、その3人組に置き去りにされた若者。
2人が出会い、さながら兄弟や家族のようになり3人組を追跡するロードムービーが始まります。
昔に妻を殺した男と家族に置き去りにされた男。
家族、意思の疎通、愛のあり方。
命の価値が軽くなり、お互いが信用できなくなった終末世界で主人公がたどり着く結末は。
きっとオーストラリアの乾いた荒野がこういう映画を作らせるんだろうなあ。
オーストラリアの映画はあんなに乾燥して広大なのにいつもどんよりしてるんですよね。
でもとてもいい映画でした、ラストの車を取り戻したかった理由もとてもよかったです。
