てくのすけ

奪還者のてくのすけのレビュー・感想・評価

奪還者(2014年製作の映画)
4.0
世界経済が崩壊して10年のオーストラリア、という背景以外は一切説明なしで車を奪われた男がそれを取り戻そうとする追跡劇。マッドマックス1後のような世界観と要素を持ちながらヒャッハーさは皆無。思いのほか静かに壊れ行く世界で育んだ奇妙な繋がり、そして寂寥感。これは良い。

ちょっと頭の弱い感じながら自ら戦おうと葛藤する青年レイ役のロバート・パティンソンにはこんな演技も出来るのかと驚き。ガイ・ピアースの正気と狂気の境界線を歩く様は、決して名乗ろうとしないことと相まって完全に世界と決別している。その理由が明かされるラストの余韻も良いです。
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