さすらいの旅人

ジェーンのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ジェーン(2014年製作の映画)
3.2
悪党のお尋ね者は生活のため大事にしましょう。WOWOWシネマ過去録画BD視聴。

「レオン」のナタリー・ポートマン製作で主演の西部劇。
ポスターだけ見るとナタリーが女ガンマンになり、華麗なガンプレイが見れると期待したが、俗に言う娘を思う「母もの映画」として描かれている。
娘を持つ彼女は夫を狙う悪名高いギャングから家族を守るため、元カレの協力を得て対決するストーリー。

本作は西部劇であるのでアクションに期待したが、夜の対決シーンが主であるため地味な印象が強い。銃撃と色々な仕掛けがあったが映画的な面白さは少なかった。
それより、南北戦争を背景にした人間関係や子供への愛情が強く表現され、ヒューマンドラマとしての色彩が強い。
ただ、過去のエピソードが頻繁に出てくるが、何となく統一感がなく、かえって物語を混乱させているようで残念であった。

ギャングの親分役は何とユアン・マクレガーが演じている。巧妙なメイクアップのため、実は最後まで分からなかった。鑑賞後に出演者一覧から発見し驚いた。元カレ役のジョエル・エドガートンは一見冷たそうに見えるが、いい人が適役だった。

本作はアメリカ西部劇の伝統を引継ぎつつ、リアルで土の匂いがするような映像表現は評価できる作品と言える。
ハリウッド映画らしく、ラストの希望が持てるスカットした終わり方はグットだ。