「高い所」「巨大なモノ」「速い移動」…。
人種、信条とは無関係に、人間が本能的に怖いと思う要素がいくつかあって、「暗い所」もその一つ。
こういう本能的恐怖は大人になると薄れる人が多いけれど、心の底にはしっかりと残っている。
本作は、ゴリゴリの武闘派幽霊によって、その「暗い所」への恐怖を大人に思い出させてくれる。
「気が付いたらそこにいる」系の演出がこれでもかと多様される為、この辺が好きな(苦手な)人にはたまらないホラー。
暗がりに消えて、突然現れ、ブラックライトにぬぼっと出現する。
同監督の短編に通じるセンスを感じます。
幽霊の他印象的だったのは主人公カップル。
メタラーのチャラい彼女と、同じくチャラい彼氏。
チャラいというのは、ホラー映画においては冬の蝶より殺されやすい呪われた性癖ですが、この二人は違いました!
家族想いの彼女と、彼女想いで機転のきく彼氏。
あんな有能なカップルも斬新。
あ、それから未公開シーンは見るべし!
私自身がメタラーですので、あの別エンディングは燃える。
それから、恐らく後日談の心温まるシーンあり。