かわさき

世界の果ての通学路のかわさきのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
3.6
 もしどこかで暇が売られているのなら、今ならそこそこの額(全然お金持ってないけど)を出せそうです。俺はもっともっと映画を観たいんや。貧乏暇なしとはよく言ったもんです。あー、大学生らしい生活を送りたい。

 ・・・なーんていう甘いことを考えていた。幸福度なんて相対的に比較できるものじゃないけれど、物質的な豊かさ(良し悪しは置いといて)という意味では、私たち日本人はやはり恵まれているのである。私も高校生の頃は、片道40分かけて自転車を漕いでいたが、道中でゾウに遭遇することはなかった。もちろん、交通事故の危険性には常に曝されていたが、この映画で描かれる子供たちの日常に比べたら屁のツッパリにもならないだろう。

 ドキュメンタリーにしてはあまりにも多くカットを割っていて、演出染みているシーンが多い。だが、多少脚色してでも世の中に伝えなければならない現実があるのだ。その意味では、やり過ぎ感のある映像も、監督の情熱と解釈できよう。斜に構えた見方よりもずっと良い。

 改めて、自分の怠惰な生活を鑑みる。・・・暇が欲しいとか言ってる場合じゃないんだよな。そりゃあ欲しいけどさ。決して私の生活水準は高くはないが、少なくとも、この映画の子供たちよりは恵まれている。まともな教育も受けてきた。

 彼らに負けないように頑張ろう。今日の夕飯と、バカ高い学費のために。


 
かわさき

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