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世界の果ての通学路のCisaraghiのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
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ケニア・ライキピア、モロッコ・アトラス山脈、パタゴニア・アルゼンチン、インド・ベンガル地方。子供たちがいつもと同じように学校へ行くだけなのに、何このサスペンス、アドベンチャー、そして小さなミステリー。意外にも映画としてとても面白かった。脚色された部分は少なからずありそうだが、彼等が実際にいつも危険と困難を伴いながら学校に通っているのは事実だろう。2012年の映画だけど、コロナ以降、子供たちの就学環境に変化はあっただろうか。学校で過ごす時間は何ものにも代えがたいとしても、オンライン学習の併用などはできないものなのだろうか?

サミュエルが言っていたように、子供を学校に通わせることをよく思わない親もいる。女の子の親は特に。教育に価値を置く親を持つ彼らは、比較的恵まれていると言えるのだと思う。

「何も持たずに生まれて、何も持たずに死ぬ。それが人間だよね」13歳にして悟っているのか、サミュエル?そのサミュエルを男子生徒たちが寄ってたかって教室に運び入れる場面は、映画的演出ではなく、本当のこと、毎朝の恒例行事であって欲しい。

フランス語の原題は、「学校へ行く途中」とか「学校への道」というシンプルなもの。「世界の果ての」という修飾詞、要るかな?「世界の通学路」とかでよかったのでは?
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