アタラクシアの猫

パンク・シンドロームのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

パンク・シンドローム(2012年製作の映画)
3.8
北欧フィンランドの知的障害者パンク・バンド「ペルッティ・クリカン」を追うドキュメント。
バンドのドキュメント3割。
障害者のドキュメント7割。

メンバーは
ドラムのトニ(ダウン症)
ギターのペルッティ、
ベースのサミ、
ボーカルのカリ。

♪少しばかりの敬意と尊厳が欲しい♪
♪言語障害♪
カリの作る歌詞は障害者の日常と、障害者に向けられる視線への不満、施設への不満、政治への不満など、ストレート。

ライブ会場へ向かう時、ペルッティから排泄物の臭いが漂う。
身体を清潔に保つのが苦手なのは障害者ならでは、だけど…施設職員がシャワーを浴びさせる。モザイク無しの巨根。
ドキュメントなので、赤裸々な舞台裏を撮るのは良い事だけど、巨根のペニス映像を見たらペルッティの保護者は、どう思うんだろう。
意外とゲラゲラ笑ってたりして。

バンドの音は、エクスプロイテッドを彷彿とさせるようなオールドタイプの亜流。
ボーカルのカリの声が、とても良いのでビニール・ジャパンとかディスク・ユニオンで流れていたら絶対に障害者バンドと分からないと思う。

グループホーム問題は深刻。
カリが癇癪を起こすのも理解できる。不満が多い障害者はグループホームに馴染めない子も多い。
私も都内のグループホームを逃げ出して来た子を何人か面倒みたけど、不満を抱えた当事者同士で折り合いをつけるのは大変。

ライブではモッシュも起こる程の人気ぶりで微笑ましい。
CDじゃなくて塩ビ盤のレコードを制作する所も、なんか良い。

福祉大国フィンランドと言えども障害者には手厚くない現状。
マネージメントをしっかりして、バンドの稼ぎが障害者を潤すモノとなる事を願う。
頑張れ!!
ペルッティ・クリカン!