SatoshiFujiwara

デュエルのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

デュエル(1976年製作の映画)
3.3
相当ひさびさの再見、ビュル・オジエとジュリエット・ベルトが向かい合って対決する短いシーンしか覚えていなかったが、観直してみるとまあそれも分かる。リヴェットは本作でパフォーマティヴな効果を狙うために特に前半において意図的に間延びしたヘタクソな演出を行っていて、これが後半とのコントラストを生むとの狙いがあったのだろうがそれは成功しているとは言い難い。これをリヴェット的演出術、とか形容するにはなかなかにきつい。元来がコンスタティヴな、あるいは効率的な演出をする人ではないリヴェットだが、それは『北の橋』や『セリーヌとジュリーは舟でゆく』においては迷宮性や謎を際立たせるためにリヴェット的主題との一致を見せていてハマっていた。だが『デュエル』は上手く行ってないんじゃないだろうか。基本的にリヴェットは結構好きなんだけどこれは余り合わなかったな。但しどこにでも出て来るピアニストのジャン・ヴィエネ本人が弾く劇伴となるピアノは良い雰囲気だし妙な設定が楽しい。
SatoshiFujiwara

SatoshiFujiwara