せおすだ

華麗なる晩餐のせおすだのレビュー・感想・評価

華麗なる晩餐(2008年製作の映画)
3.9
貴族の晩餐会に、次から次へとグロ不味そうな料理が運ばれてくる。
それを美味そうな音で、汚れを気にせず、貪欲に命を搾取し続ける裕福層。
その料理の重みが底なしの胃袋に溜まってか、フロアの底は抜け、堕ちていく。

これは映像だから面白い。
このストーリー自体は、文章で伝えられてもそれほどだろうけど、この演出、この美術、この衣裳、この音声、このカメラワーク、この照明、そしてこの顔が、ストーリーを何倍にも面白くし関心を引くものにしている。

ワンショット目から最高の掴み。
なにより、グロい料理を見させられているのに唾液腺を刺激されてしまうほど美味しそうに聞こえる最高の音作り。
給仕人が次のフロアへ先回りするくだりは、予想を超えていて面白い。

タルコフスキーやホドロフスキーほど難解ではないが、メッセージ性を孕みつつもテーマを直喩しないところが御立派。観る手によって、持つ印象は変わってくる。

この貴族達、ボロ雑巾を皿に出したとしても、美味そうにナイフとフォークを使ってカチャカチャ食べそうだ。