m

華麗なる晩餐のmのレビュー・感想・評価

華麗なる晩餐(2008年製作の映画)
4.0
三毒(瞋は少し無いかもしれないが)を思い起こされる強烈に印象に残る作品。
貪るおろかさを感じる。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の短編作品。
彼の作品は短編であっても面白い。
奇天烈な話であり、また風刺。

セリフは「Next Floor」という言葉だけ。
下に落ちるという形はセリフ通り、次の段階に進んでいる(堕ちる)という比喩なのだろうか。
醜い様に落ちていくのがセリフに込められている気がする。
優雅に着飾った紳士淑女たちが埃だらけになり、無我夢中に肉を喰らう。

肉片はすべて動物であり、それに食らいつく人間たちは狂気的。
悲しく泣いていた女性も食欲に飲まれていく様は、現代そのものを表している。

尽きぬ欲望を食事と建物を通して描ける監督は、やはり好きだ。
またそれをスタイリッシュに演出してしまうのが憎い。

ラストに問い掛けられる視線。
「おまえはどうだ?」と抉られるような感覚に陥る。
m

m