あきらむ

ショート・タームのあきらむのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
4.0
児童保護施設が舞台ということもあり、扱っている題材は重いのに、とても柔らかで影が無く安らげる映画。だから、辛い時でも、何度でも繰り返し見ることができる。
ショッキングな場面もあるけれど、人が人に自分を開示して癒される、そんな場面がとても多い。傷の舐め合いではなく、確実に辛いのを踏み越え一歩先に歩んでいく登場人物たち。主人公はジェイデンやほかの子供たちの身近な存在として存在していて、こんな大人がいたら子どもも癒されるだろうな、と。しかし彼女自身にもトラウマのせいで大人になり切れていないところがあり、それ故にできることなのかもしれない。彼女の顔に様々な葛藤を見ることができる。
画面が常に揺らいでいて、そして、無駄な音楽や効果音がない。人の表情を映し出す場面がとても多い。また、モチーフとしてそれぞれの登場人物の大切にしている物、嫌悪している物が後半で活きてきている。モチーフの色使いが綺麗で象徴的だ。
婚約者のメイソンがひょうきんだけれど、とても優しく癒された。主人公の守護天使的な偉大な存在だ。