エディ

ショート・タームのエディのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
3.9
未成年者のための短期保護施設で働く職員と子供たちの心の交流を描いたヒューマンドラマ。こういう設定で職員同士とか子供たちだけの関係を描く映画は散見されるが、職員と子供の心の交流を上手く描いているのでとても好感がもてた。

主人公グレイスは短期保護施設の職員で、同僚職員のメイソンと付き合っていた。この施設は保護対象の少年少女ばかりが入所しているが、家庭的な問題もあって多くの子供たちが心の問題を抱えていて、日々事件が勃発している。
そんなある日、父が受け入れるまでの短期入所ということで、ジェイデンという一人の少女が入所してきた。心を開こうとしないジェイデンに、まるで自身の少女時代を重ねるようにグレイスは接していく。。。

この映画が素晴らしいのは、職員が上で少年少女が下というありきたりな設定になっていないことだ。最初は優れた人格者だなと思って観ていたら、実はグレイスはメイソンにもいえない心の闇を抱えていて、その結果、メイソンとの間に出来た子供を堕ろす決断もしてしまう。
施設では聖人なのにプライベートでは情緒不安定でメンヘラ気味の不良少女としてグレイスを描いているので、ジェイデンとの心の交流の過程が自然だしとても良く理解できる。

年齢上限で間もなく退所しないといけないマーカスの心の揺れを描くことで、こんなところにいるのは正常な姿ではないけど、だからといってどこも行くあてなんかないという社会の現実をさりげなく感じさせてくれるし、ジェイデンが創った悲しい物語で彼女の身に何が起きていたかを理解させる演出は見事というほかない。

説教臭くなく現実の厳しさを描き、グレイスやインターンの成長を丁寧に描くことで交流の過程も極めて自然に流れている。

終わり方も非常に後味が良かったので、ともすればシリアスな描写になりやすいテーマを明るく爽やかに描いた良い映画だなと思った。