クリーム

ショート・タームのクリームのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
4.0
良い映画でした。どうにもならない現実等もちゃんと描いていて、感動して下さいと言う作り方じゃないので、素直に観れました。また、実際に悩んでいる人達にも少しだけ希望を与える内容も良かったと思います。
親から虐待を受ける等した未成年者を保護する施設を舞台に、自分も心の傷を抱えた職員グレイスと子供達が交流し共に成長して行くヒューマンドラマ。
職員の役割は子供達を見守ること。親から虐待にあっている事が明らかでも、親が子どもを連れ帰りたいと申し出たら、子どもが家に帰りたいと思っているなら、職員に出来る事は無い。
子供達の為を思っても踏み込めない領域があるという残酷な現実を包み隠さず描いているので、共感出来ました。




ネタバレ↓




常に気を付けていないと誰かが自傷行為に走ったり、脱走したりなので若い力がとても必要な現場。想像以上に大変なのがリアルに伝わって来ました。
ラストがとても良くて、マーカスは18歳を迎え施設を出ていったのですが、最後の職員の雑談で彼のエピソードが語られます。親を憎み、施設を出ることに不安を感じ、自傷行為までしていた彼が、施設を出たあとに彼女が出来て、カプチーノを飲んでいるところを目撃される。彼は、人生を楽しむ事を始めていました。
親はあくまで生んでくれた人であり、自分の人生は、自分で作れる。親に恵まれなくても、辛い記憶や自分の傷を乗り越えて強くなれば、親とは違う人生を歩むことは可能なのだと言っている様で、最後の締めくくりとして、凄く良かった。
また、グレイス自信も子供達から勇気を貰い頑張って生きている。そのグレイスの生きざまが子供達のお手本になる。素敵なループだと思う。勿論、難しい事だけど、映画を観た人が、ちょっと頑張って見ようと思えたら素敵だなぁと思いました。
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