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ショート・タームのはとのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
5.0
どうしようもないクソみたいな世の中で、小さな優しさとささやかな幸せが何よりも美しく輝いていて、涙が止まらなかった。号泣してしまった。

人はどうしても愛されたいと願ってしまう。それは切実な欲求で、求めても手に入らない現実が多くあるのだろう。それでもこんなに希望に満ちたすごい映画があって、たまらなく私の心を揺さぶった。傷ついた心を持ちながら、肩を寄せ合って生きる姿に人間の善性を感じ、震えるほど感動した。



大学生のときにボランティアで施設にお手伝いに行ったことがある。この映画に出てくるようなティーンの子は数日だけくる人に心を開いたりはしないけど、小さな子達はとても甘えてきた。どんなに懐かれても連絡先を教えるなと注意されたことを鮮明に覚えている。最後の日に手紙をくれた女の子に返事を書くことも禁止だった。モノを残したらダメだったから。愛情に飢えた子は、ちょっとの優しさにすがってしまいトラブルになってしまうのだそう。この世の中には大きな格差があり、生まれる場所は選べない。今回のコロナ禍で虐待が増えていると思うと本当に悲しいな…
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