Hoshiduru

ショート・タームのHoshiduruのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
3.9
みんなにハグを、って孤独に苦しむ人たちを見るといつも思うけど、このみんなには多分ハグですら刺になっちゃうから、ずっともどかしい思いをしながらひたすら眺めてることしかできなかった。不正解はわかるけど、正解はわからなかった。

きっと私の髪が長かったら、それを気怠そうにいじりながら観たろうなあ、って思った時、すでに私はあそこに居た。

私は虐待も受けてないし、彼らより”恵まれている”んだろうけど。分かった顔して近づいてる、ってどの立場の人からも言われるのかもだけど。あの施設は、とても鋭くて痛くて温かくて柔らかい空間。

親の「子供」であることから逃れようとする彼らの叫びが、それでも悲痛なくらい「子ども」らしくて、自分の傷が手に負えてなくて、観ててとてつもなく辛かった。

ちっとも強くなくてちっとも大きくない、ぎりぎりでボロボロの愛だけど、それをかき集めて寄り添いながら生きていく姿が儚くて眩しかった。
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