みりお

キル・ユア・ダーリンのみりおのレビュー・感想・評価

キル・ユア・ダーリン(2013年製作の映画)
3.1
終始物静か。
ただその静謐さの中に、若かりし頃誰もが抱く「現状への不満」や「自己の特別視」が、熱い熱を持って含まれており、観る者を惹きつける作品だった。

ただ、いかんせん残念。
「ビート・ジェネレーション」や「ビートニク」を理解していないので、ただ理想に溺れた、現実を知らない学生たちの悪あがきに見えてしまった。
「ビートニク」の何たるかを理解していれば、名だたる作家陣の若さゆえの過ちや、思想の形成過程にフォーカスを当てた本作は、堪らなかったかもしれない。

ただそれを知らない私には、言い知れぬ妖艶さを纏う美青年に、盲目的に惑わされる耽美な作品に見えてしまった。

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何かを愛した時、それは永遠に君のものになるかもしれない
それは突き放しても、弧を描いて君の元へ戻ってくる
君の一部となり、君を破滅させる
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アレンがルシアンに謳うこの言葉。
思想も主義も全て捨てて、それでも魅了されて止まない存在=ルシアンへの"最大の賛美"と、"最大の皮肉"を込めたこの言葉をとっても、監督は本作を"文学史への賞賛"として残したかったのではなく、"タブーへの言い訳"として残したかったように思う。
だったらいっそ同性愛に振り切って描いてくれたらいいのに。
振り切ってくれたなら、『ベニスに死す』並の名作になっていたかもしれないよ?
なんとなく消化不良を感じさせるような、テーマがブレブレの作品でした。

しかーし、それでもこの作品が美しく見えるのは、ビョルン・アンドレセン並に言いようのない魅力を放ち続けたデイン・デハーンのおかげ。
ルシアンを彼が演じていなかったら、もっとブレた作品になっていたとも思います。

【ストーリー】
第二次世界大戦中の1944年、コロンビア大学に入学したアレン・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)は、授業内容をはじめ旧態依然とした大学の有り様に幻滅し、自由奔放な学生ルシアン・カー(デイン・デハーン)に強く惹かれるようになる。
そしてルシアンの仲間であるウィリアム・S・バロウズ(ベン・フォスター)やジャック・ケルアック(ジャック・ヒューストン)とも交流を持つようになると、彼らの生き方や「文学革命」の思想に感化されていく。
だが次第にアレンはルシアンに対して友情以上の感情を抱くようになり、彼等の歯車は徐々にずれていく。

【キャスト・スタッフ】
*監督:ジョン・クロキダス
本作が長編初監督作で、その後作品なし。
最近こういう人の作品にあたりやすいなぁ〜笑
まぁ次作に期待。

*ルシアン:デイン・デハーン
な!ん!な!の!この美しさ!!
うわ〜😍💓美しすぎて、もはや怖い❤️❤️
みりおは、大体耽美的な少年って腹が立ってくるんです💦
自分に酔ってるんじゃねーよ⚡️って。笑
でも数少ない許せた耽美少年が、『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンだったんですが、デインは数少ない2人目に入るよ!!うん!!
実は本作を観たきっかけが、『クリード』のマイケル・B・ジョーダンの出世作である『クロニクル』が観たくて、でも主演の男の子よく知らないから、先にダニエル君と話題になってた作品観とくか♫くらいの、遠回りな理由だったんですが…
ともかくデインのファンになりました♫
あとは『アメイジング・スパイダーマン2』ではグリーン・ゴブリンをやってたんですね!知らなかった😳
よし、スパイダーマン観よう♡ww

*アレン:ダニエル・ラドクリフ
ダニエル君って、ほんとこういう冴えない役似合うよね。笑
ハリポタシリーズでも、『炎のゴブレット』辺りが一番しっくりきてたな。
チョウのことが好きなのにダンスパーティーにすら誘えなくて、魔法学校対抗試合でも全然スマートじゃなくて、セドリックに恋も人気もぜーんぶ持ってかれて…
ダメダメなオドオドハリーがとっても似合ってました✨笑
だから本作の役所もしっくり来て、集中して観られました♫
決して演技が上手だとは思わないけれど、アレンの独特の不器用さにも見えるので◎🙆‍♀️笑

*ジャック・ケルアック:ジャック・ヒューストン
どっかで観たイヤな顔〜〜😫と思いながら観てましたが、『高慢と偏見とゾンビ』で悪役をやっていた人でした😅笑
あと2016年版の散々な評価の方の『ベン・ハー』で主演だったらしい…がぜん気になるw

*ウィリアム・バロウズ:ベン・フォスター
おぉ!頭カッチカチに固めてたからわかんなかったけど、『X-MEN ファイナル・デシジョン』のエンジェルか!
あとは来週放送の『インフェルノ』のヒールだそうですよ♫楽しみ楽しみ♡
みりお

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