じろともトン

薄氷の殺人のじろともトンのレビュー・感想・評価

薄氷の殺人(2014年製作の映画)
5.0
#映画 #movie
◯ #ディアオイーナン 脚本&監督「 #薄氷の殺人 」
◯ #グイルンメイ #リャオファン
◯第64回ベルリン国際映画祭、最優秀作品&最優秀男優賞受賞作品。
◯原題「白日焰火」は「白昼の花火」の意味。
◯新作「 #鵞鳥湖の夜 」を観る前に、2014年制作のこちらはかなり前に観たので、ヒロイン、キャストが続投してるので見直してました。
◯監督は脚本家としてのキャリアが長く、
監督としては前作と新作の間がかなり開いてるので、準備や脚本、題材選びなどに時間をかけるタイプなのかも。
◯「薄氷の殺人」は、中華圏の映画だけど、いつも観てる中華圏の映画と違い、特に台湾の映画に近い、カンフーのない、ロケーションや街並みも綺麗な所ではなく、普通の街並みを撮っているのが新鮮。
◯バラバラ殺人が起こるクライムサスペンスなのだけど、それよりもドラマ性が強い作風で、
サスペンスものとして観るよりも、薄幸そうだけど美しいヒロインの存在感と、主人公の無骨な元刑事の中年男性、
その間にも事件は起きていく。
◯ #ディアオイーナン 監督は新しい才能(監督としてのキャリアは本数がまだ少ないけど、脚本家としてのキャリアが長く、新作で作家性を確立するくらい個性がある監督と言われています。
◯「薄氷の殺人」では音楽があまり流れず(いきなりクラブ系の音楽が流れますが)、
普通の街並み、ヒロイン以外は普通の登場人物。主人公が普通のおじさんなのが人間味を感じます。決して良い人ではなく、だらし無さや、男としてのダメさも描かれます。
◯その中で、ヒロインである事件の容疑者の疑惑がある未亡人になった女性との物語。
◯雪道のイメージ。スケートの氷。
実はクライムサスペンスっぽさは薄く、
でも大人の物語、ノワールっぽさが強いです。
元刑事と、容疑者の疑いのあるヒロイン、
派手さはないのがこの映画の最大の魅力だと思ってます。
この映画、イーナン監督の語り口に惹かれる人は、ヒロインの台湾出身のグイ・ルンメイの美しさと存在感が忘れられなくなると思います。
じろともトン

じろともトン