キングジョー

薄氷の殺人のキングジョーのレビュー・感想・評価

薄氷の殺人(2014年製作の映画)
4.0
期待せず観たんですが、さすが金獅子賞を獲っただけあって完璧に近い作品でした。凡百の映画のようにセリフを並べてストーリーや心情を説明するのではなく、情景と演者の表情だけで美しく魅せていきます。一つの事件をきっかけに心を失った男と女。2人の人生が交わり、事件の真相が明るみに出るとき2人は再び生きる希望を見出します。
東洋なんでアイラブユーとか甘ったるい言葉は一切使われません。原題の『昼間の花火』のとおり、ラストシーンの花火は逮捕される女へ新しい門出の祝福の意味を込めて上げられます。
おめでとう。綺麗な体で戻ってこいよ。おれはずっと待ってるぞ。