僕は大人になっても、大事なのはこの瞬間
やっぱりリンクレーター監督の作品は好きです。本作も、前に一度見たのですが、プロジェクターで見たいとのことでもう一度。
ストーリーの時間軸と、リアルな時間軸をマッチさせる映画って、ありそうでなかったですよね。ビフォアシリーズもそうです。
この監督の映画、会話も展開も、ごくありふれたもので、何も特別なものはないんですけど、なんだろう、ひとときも飽きないでずっと見てられるんですよね。タランティーノ監督とはまた違った感じで。面白い。
映画に求めるのは、現実では味わえない展開、って前に言いましたが、こういう普通の日常で特別な展開のない映画でも楽しめる、むしろ引き込まれてしまうのは何ででしょうか。不思議です。
それは、この監督が時間に重きを置いて、細かく、とても細かく描いているために、自分の人生と重ねて見てしまうからだと思います。懐かしいホームビデオを見ている感じで。
シーンが切り替わるごとに、キャストが大人になっていって、声が低くなったり、髪型が変わったり、それだけで面白いのに、家族としてもどんどん変化していくので、ラストシーンにたどり着く頃には、すっかり一緒に人生を歩んできたかのような気持ちになって感動します。
ラストシーンもとても好きで、綺麗に終わりました。
この映画、音楽も個人的にとても気に入って聴いていた曲が多く使われていて、そこも気に入ったポイントでした。
リンクレーター監督の新作が出まして、気になってはいるのですがまだ見れていません。これを機に見てみます。