ずっと観たかったから、やっと観れて嬉しい。
ほんまに1人の少年が大人になるまでの成長を追っただけで、起承転結とかも特にないねんけど、全然飽きない、3時間弱という長さも全然感じさせない作品だった。
突然やってくる様々な出来事に対する感情や態度が変化していく様子はまさに成長の過程を観ていた。
嫌なことは嫌、大人からすれば聞きにくいような疑問に思うことも素直に言葉にできる幼少期。
自分の感情をはっきり出すことが難しくなってくる思春期。
いろんな世界に興味を持ち出し、自律し出す青年期。
どれもどことなく共感できて、見知らぬ少年の(家族の)人生を描いたフィクションであるものの、自分のことのように観ていた。
自分が母子家庭で育ったのもあると思うけど。
学校では教えてくれないような大切なことを教えてくれ、定期的に遊んでくれる素敵な父親だが、まともに職に就くことがなく、妻とは上手くいかない実父。
形式上家族ではなくなっても、大人になるまで一番父親らしくあり続けた彼は本当にかっこよく見えたな。
最後、ライブ会場で親子で話す姿はとっても感慨深かった。
成長の過程を端折ることなく、12年間撮影してきた監督、キャストもすごいなと思うし、キャストの成長と共に、脚本が毎年作られていく制作過程もすごい。フィクションであるのに、その新鮮かつ斬新な制作方法のお陰で全くフィクションとは感じなかった。
観終わると、なぜか心温まる、素敵な映画だった。
