ロックウェルアイズ

パズルのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

パズル(2013年製作の映画)
3.9
女子生徒の中村が学校の屋上から飛び降りた。
幸い一命を取り留めた彼女の前に、同級生の湯浅が現れる。
それからしばらくして、謎の仮面をつけた集団による学校テロが決行される。
彼らは一体何者なのか?彼らの目的とは何なのか?

本当に頭おかしい。
こんな倫理観0の映画観たことない。
「なんかおすすめの映画ある?」と聞かれても絶対にお勧めしない。
毎度お馴染み内藤監督ですが、今回は特に容赦なかった。
あまりに狂いすぎてて笑ってしまうほど。

思春期の破壊衝動の究極形。
湯浅に光を見る中村と、中村をミューズと見る湯浅の悪の青春。
いじめや性暴力を受けた苦しみは私には理解しきれないけれど、苦しみを抱えた2人が間違った正義へ突き進んでしまうのにはなんとも言えない。
ラストに向けて狂気が加速する構成と展開は、幼稚でベタだけど全く飽きない良い作り。
悪が勝つまでのカウントダウンの終結は映画冒頭へと繋がり、茶番とも言うべきラストは笑うべきか、悲しむべきか。

ミスミソウの山田杏奈。パズルの夏帆。
内藤監督作は血の映えさせ方が格段に上手い。
基本は鬱屈した感情の詰まった汚い血。
本作でも、トマトと卵を混ぜて最高に気持ち悪い血の演出をしている。
一方で、鮮血を浴びるヒロインはなんとも美しい。
今回は夏帆が悪と血に染まって闇に堕ちていく女子高生を熱演。
ラストの狂気のダンスといい、夏帆の魅力が詰まった一作だった。
(主演の野村くんもこんな芝居が出来るとは。感心しました。)

何度も言うけれど、本当にお勧めしない。
暴力にレイプに近親相姦と、胸糞に胸糞を重ねた地獄に吐き気を催す。
是非とも、私みたいな変態だけに観て欲しいと思う。
そんな私でも、妊娠している教師への拷問シーンは本当に辛かった。

そういえば、原作となった山田悠介の同名小説とは全くの別物みたいですね。