円柱野郎

伝説のレーサーたち 命をかけた戦いの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、1996年オーストラリアGPで大クラッシュを演じるジョーダンのマーティン・ブランドル。
奇跡的に無傷だった彼だが、F1がそこまでの安全性を得るに至った半世紀にわたる歴史は、まさに毎年誰かが死ぬと言っても過言ではない世界。
語れば長くなるその改革の歴史を要約して、有名ドライバーの多くの逸話、死亡事故が紹介される。
けど、これはドライバーが誰だかを知っている前提のドキュメンタリーだと感じたね。
その上で、安全改革が描きたいのか、そんな危険な世界に生きたチャンピオンたちを描きたいのか、両方に色気を出してどっちつかずという印象も。
まあどちらかというと前者がテーマなんだろうけど、そうなると原題の"1"(チャンピオンのカーナンバー)とはどうもチグハグか。

全体的な内容はほぼ70年代までの話で占められる。
セナの事故死は語りつくされた感もあるから、本作の様に「それ以降事故死はなくなった」という節目として描かれるくらいでもOK。
F1の安全改革を語るのであればジャッキー・スチュワートの活動は外せない。
ヨッヘン・リントやフランソワ・セベールといったショッキングな事故も取り上げている一方で、グラハム・ヒルやジム・クラーク、ジェームズ・ハントなどの英国ドライバーに結構時間を割いているのはちょっと気になったが。
なので英国が製作しているのかと思ったのだけど…、実際にはアメリカ映画だったのでよく分からんなあ。
円柱野郎

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