ダイセロス森本

ハッピーエンドが書けるまでのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

3.8
90分のなかにしっかり家族像が生まれていて、リリーコリンズが可愛い映画。結構ムチムチとしておりました。
To the boneで妹役を演じたリアナ・リベラトちゃんの姿もあり!
彼女はラスティくんに想いを寄せられる可愛い女の子という立ち位置で、なかなか良い共演!。

家族はいつか家に戻ってくる。そう信じて離婚した母のことを待ち続ける父に苛立つ子供たち。母は結婚して、ほかの男と寝ている。なのに、今さら戻ってくるはずはないと。父の心の傷を癒すために姉弟で元気にふるまったり、相手をしてあげるけれど、心は母のところにある…。それがなぜかストーカーになってしまうのはよくわからないけれど。再婚相手と住む家へ忍び寄って観察している父、ちょっぴりやばい人。まあ作家だからやばい人なのはわかるけども~!。

リリコリちゃん演じる娘は母を許せず、母を気持ち悪いと思っている…。
これ、めちゃくちゃ分かるから途中から涙出てきた。
私の母が浮気して、しかも浮気相手がめちゃくちゃ近くにいた人だったから、母のことを母として見れなかった時期があった。今でも仲良いとは言っても、どこかでその引き攣ったものがある。傷痕にはなったけど、ずっと引っ張られていて気持ちが悪くなるような感覚。
理想の親っていないし、私だってそのうち親になる。その時子供の気持ちがわかるかな。こわいな。

作家の父、駆け出し作家の娘、作家の卵の息子。
全員が愛を持っていて、帰る場所をもとめている。

親の浮気で子供が「愛」を怖がるなんて頭おかしい、とか、弱すぎでしょとか、関係ないのにって言われるし、そう思うけど、世界で一番味方の、何をしても正確な判断をくれる母や父が、自分を裏切る行為をしたら、そう簡単に心を復活させることはできないよね。

最後のthanks givingを見ると、「私も母をいつか許せるのかな、いつか私も家族とああやって楽しめるのかな」なんて思って、なんだろう、とてつもなく怖かった未来がちょっと変わった気がした。

ボーイフレンドも良い役だし、彼の生活に関与したから、母を大事にしようと思えた、話したいことは生きているうちにと思えたのではと感じた。まあ最初から大分「どうせ最後は墓に入るからセックス」みたいな考えの娘だったけどね。
結局、墓に入る前に伝えておきたいことは、伝えておきたい人が墓に入る前に伝えておくべきっていうことですね。

家族が安心して帰れる場所があって、よかったよね!!!!