児童文学作品『くまのパディントン』の実写映画。CGとアニマトロニクスで表現された、もふもふのパディントンの可愛らしさがウリの作品。いかにもファミリー映画らしい優しい内容で安心して観ていられる。
興味がさほど沸かずにスルーしていたのだが、評価の高さにつられて鑑賞することに。だが自分はそこまでハマらず、ちょっと合わなかったなと。
パディントンは熊でありながら紳士。外見の可愛らしさも相まってそこがキャラクターの魅力なんだろうけど、自分的にはそこに魅力をあまり感じなかったんだよね。紳士=大人というイメージがパディントンの可愛らしさと合致しなくて。紳士か可愛らしいかどっちかにしてほしいと思ってしまった。これが日本の漫画やアニメだと、もっと可愛いキャラクターになると思う。そういうのに慣れてしまっているから微妙に感じたのかもしれないなぁ。イギリス的可愛さのパディントンが自分には合わなかった。
シュールな作風でもあり、楽しくほんわかではなく微妙に毒々しいのも意外だった。生理的に駄目だったのが、パディントンがトイレで格闘するシーンと歯ブラシで耳掃除をするシーン。汚さが気になってもう駄目。笑う場面だったけど自分は笑えなかった。
イギリスのコメディってちょっと癖があるように思う。『Mr.ビーン』とか『ジョニーイングリッシュ』もそう。自分は肌が合わないんだよなぁ。アメリカ的なお下劣さやお馬鹿さの方が自分は好きだと改めて思った。
キャストは豪華で、その部分では楽しめた。パディントンの声はベン・ウィショー。サリー・ホーキンスやジュリー・ウォルターズ、悪役のニコール・キッドマンらの好演が光る。ニコール・キッドマンは元夫のトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』ネタで笑わせてくれる。よくやってくれたなと(笑)。
パディントンとブラウン一家が絆を深める部分は感動的。ベタだけど、こういうのがファミリームービーの良さ。ほっこりする。観たあとは確実にママレードジャムが欲しくなるね(笑)。