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パディントンのRiNのレビュー・感想・評価

パディントン(2014年製作の映画)
3.8
なんだかんだみんなクマ好きですよね。あの黄色くてハチミツ大好きなあいつとか、結婚式会場の受付に高確率で飾られているあいつらとか、最近だと女好きで口の悪いオヤジなあいつとか、マイナーなところでいけばチェコで森の中でマッド・マックスしてたピンクのあいつとか。その中でもわたしが昔から好きなのがこの映画の紳士なこの方、くまのパディントン。ペルーからの密航者というわりとダークな背景を持ちながらもブルーのダッフル・コートに真っ赤な帽子という洒落た格好に紳士然とした言葉遣いの彼は、幼いわたしの目にもとても魅力的に映ったものです。
さてさて、そんな幼き日のお気に入りの実写映画化、楽しみ半分不安半分でした。不安の原因ひとつは、こういうぬるぬる動くアニメーションと実写のコラボがどうにも苦手であるということ。もうひとつは、原作は1958年作、現代版にアレンジされたらどうなってしまうのか…ということ。
ひとつ目の不安は、残念ながら的中でした…。いや、これはとても個人的な好みの問題なので、今まで苦手意識を持たずに見られた方にとってはなんの障壁にもならないと思います。ので割愛。
ふたつ目の不安、これはとても良い形で裏切られました。丁寧な筆致できちんとファンタジックな19世紀のロンドン版にアレンジされてるもんだから、ちゃんとホロっとしてしまいました。また、とてもロンドンに行きたくなる街の風景描写も素敵。丁寧で紳士的でちょっとトボけた世界一チャーミングなクマ、わたしはこのクマがやっぱり一番好きです。
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