Taka

複製された男のTakaのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.8
全てが謎のままに唐突過ぎるエンディングで茫然自失。
頭の中を整理するのに時間がかかるなぁ。

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どっちがどっち、って事じゃなく、二人合わせて一つの人格、って事かな?
「欲望のままに遊びた~い!女抱きた~い!」俳優人格と、
「こんな事じゃいかん!真面目にやらにゃあかん!」教師人格への分裂の象徴である存在?

俳優は脇役onlyで芽が出ず、浮気がバレて奥さんに信用されず、それでも女遊びを止められず秘密クラブへも出入りする。
教師は毎日繰り返しの退屈な日常で、恋人との間にも隙間風。

自分のドッペルゲンガーに会った者は死ぬ、と言われている。
そして同僚から薦められた映画のタイトルが『道は開かれる』。
これらは現状の変化、片方の人格の消滅あるいは統合、を暗示しているのか?

教師が講義で語る独裁者による支配の様式。
縛り付ける支配が教師の立場であり、遊ばせる支配が俳優。
では独裁者は誰なのか?

恋人は情事の果てに死亡する。
俳優と教師は支配されている側。
残っているのは奥さんで、蜘蛛の糸が束縛と支配を象徴するのなら、
ラストで蜘蛛に変容する奥さんこそが独裁者なのだろうね。

そういう事であれば、6ヶ月の割に膨らみ過ぎてるように思えるお腹も、蜘蛛の体型を示唆しているかも知れない。

気になるのは秘密クラブ。
確認できなかったけど、
ひょっとしてソコに居た女性は恋人や奥さんではなかったのか?
そして部屋の男たちは「主体的にエロを楽しんでいる」ようには見えず、一様に呆けた表情をしている。
そして街を見下ろす巨大蜘蛛。

要するに、世界の本当の独裁者は「女性全般」であり、男どもは哀れにも、自ら遊んでいるつもりでも、実は女性に「遊ばされている」に過ぎないのである。

ラストに部屋の鍵を手に入れ、嘘を吐く教師。
真面目を装っている教師も「秘密」の魅力には抗えないわけだ。
そして、講義での言葉通り、一度目(退屈で、しかも奴隷である事に気付きかけた人生)は悲劇だが、二度目(邪魔者が消え、新たにエロを含んだ、コントロールされている事にこの先も気付かないであろう人生)は笑劇なのである。

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って感じで良いのだろうか?

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にしても自分の分身が、特異な状況の中でも
「そんな事より女!」って女好きなのは嫌だなぁ。。。
Taka

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