mOjako

恋人まで1%のmOjakoのネタバレレビュー・内容・結末

恋人まで1%(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ニューヨークに住むアラサー男の恋愛や友情を描くコメディ。個人的には興味深い話になる入り口で終わってしまったような印象でした。

主演は最近すっかりバカコメディ役者として脂が乗ってきた感すらあるザック・エフロン。周りを固める役者陣もイモージェン・プーツ、マイルズ・テラー、マイケル・B・ジョーダンと今をときめく若手が揃ってて何気に豪華。個人的には「オデッセイ」で気になったマッケンジー・デイヴィス目当てで見ましたが。とにかくまずはこのメンバーのアンサンブルが心地よいです。特に男3人でのどうしようもないキャッキャ感は心底バカだけど微笑ましくもあって良かった。それと「so?(これからどうする?)」と女性に聞かれることを嫌っていた主人公がラストでは彼女にそれを尋ねる所で終わるのは良い伏線の回収でグッときました。

テーマはアラサー男にとっての理想の生き方とかでしょうか。確かに30にもなれば恋愛するにも結婚を意識せざるをえないだろうし、いつまでも遊んでたいけどそろそろ色々と選択を迫られる時期でもあるからちゃんと描ければ意外と今迄なかった映画になるのかなとは思いました。ただ出来上がった映画に関して言えば軽いノリと愛嬌で何となく人生上手くやってきた男がちょっと反省して結局体良く美人をゲットくらいにしか見えないなぁと。まず構成に難ありで94分の映画なのに開始から1時間以上たっても主人公たちに葛藤らしい葛藤が生まれません。強いて言えばマイケル・B・ジョーダンの嫁とのすったもんだでしょうが、それも大した問題提起にもならずあとの2人に至ってはずっとヘラヘラしてるだけ。ようやくラスト近くでそれぞれにパートナーとの不和や友情に亀裂が入ることで葛藤が生じかけますが、解決法もただ謝るとかその程度でイマイチ盛り上がりに欠ける。デフォルメしてるけどアラサーになってもモラトリアムを引きづり続ける男達には今の時代のリアリティが多少はあったと思うから、大切な人を選ぶことで男3人今までのようには過ごせなるといった一抹の苦さやハッピーエンドでもいいけどそれぞれがちゃんと大人になることを描いて終わって欲しかった。

ただドラマ的には盛り上がらないですが、基本主人公たちのバカすぎる行動を見てるだけで退屈はしないです。今後間違いなく活躍するであろう役者陣を見れただけでも見て良かったなと。
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