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美しい絵の崩壊のmaverickのレビュー・感想・評価

美しい絵の崩壊(2013年製作の映画)
3.8
ナオミ・ワッツとロビン・ライトが、親友の息子とそれぞれに禁断の関係を持ってしまうという女性を演じている。非現実的な設定であり、こんな設定はエロい妄想の世界でしか聞いたことがない。しかしながらこれは分からなくないと思わせるほどに、ナオミ・ワッツとロビン・ライトの大人の女性の魅力が満載であった。見た目の美しさだけでなく、成熟した大人の余裕が2人にはあり、若い女性よりも彼女らのほうが魅力に感じる気持ちは十分理解できる。それとは逆に、彼女らが禁断の関係に至るそれぞれの息子らも魅力ある青年だ。冒頭で彼女らが自分たちの息子を見て、「神々しいわ」と讃えるのが非常に説得力がある。ただかっこいいだけでなくまだ子供っぽい部分もある未熟さがまたポイントでもある。この4人がそれぞれに深く愛し合ってる姿が、役者の熱演によってリアルに感じられる。脚本もしっかりしているので、違和感は全く感じなかった。むしろリアルすぎて怖い作品である。もしも自分がこういう立場になったらどうすればいいんだろうと。常識で考えればありえないこと。でも当事者となったら冷静に判断をつけることは困難だろう。昼ドラのような泥々の関係が描かれるのかと思いきや、普通にラブストーリーとして観れた。美しい海辺の風景が、禁断の関係を絵画的に写し出して見せる。もちろん綺麗な恋愛ものではないが、非常に難しいテーマを陳腐に感じさせない巧みさがあった。大人な恋愛映画が観たい人にはオススメしたい。
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