みなりんすきー

悪魔の起源 ジンのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

悪魔の起源 ジン(2013年製作の映画)
3.1
ーーー”命には命で償ってもらう”

ーーー”慈悲深きアッラーの名のもとに
神をたたえよ
人類の王よ 悪が忍び込みささやく
美しく称賛すべし我が全能の神よ
崇高な神に栄光があらんことを”



■ あらすじ ■
子を失うーーそれは何よりも痛ましい悲劇。
若い夫婦のサラーマとハリドは、産まれてまだ4ヵ月ほどの我が子を不運な事故により失った。生きる希望を失い抜け殻のようになってしまった妻をなんとか立ち直らせる為、ハリドはアメリカに残りたいと言う妻をなんとか説得し、故郷のアラブに新居を構えることにした。
建ったばかりの新築高級マンションだが、その洗練された高級感や美しさの陰に、恐ろしい魔の者が忍び込んでいたーー。


■ 感想 ■
『悪魔の起源 ―ジン―』
(『DJINN』)

ホラー映画の名匠、トビー・フーパーの遺作。

悪魔やら宗教やらの類のお話はかなり好きなので鑑賞してみました。
うーーん!?なんというか評価が難しい映画!駄作ではないけど高評価をつけるにはちょっと及ばず…という感じ…ううん、難しい。
加点ポイントとしては、まず全編を通しての演出の上手さ。1時間半、もうずっと”悪夢”をみているようだった。ラストに向かうにつれてそれは加速し、めまぐるしく、そしておどろおどろしい。こんなに美しいマンションの中で、その底無しの闇に少しずつ飲み込まれていく様子が非常によく描かれていて、ゾッとした。
あと何より、奥さん(サマーラ)が可愛い。超美人。ヤバイ。同性ですけどめっちゃタイプでした。ずっと見ていたいくらい。ヒロインが美人というのは映画においてやはり重要ですね……これが可愛くない人だったら評価マイナス1点くらいいってたかもしれない(相当)。
高評価つけ難い大きな原因としてはやはり、”物語性には欠けている”ところでしょうね。ずっと悪夢を見せられているのは確かなんだけど、その中での進行っていうのはものっすごいゆっくりなんだよね。ゆっくりというか、ほぼ進んでいないと言っても過言ではないくらい。これは見始めて割と早い段階で気付くんだけど、この映画、始点からの終点の距離が他と比べるとめちゃめちゃ短いんだよね。めちゃめちゃ短い距離を、1時間半かけてゆーーーっくり一応進んでいってる感じ。だからどうしても中盤あたり少し退屈を感じてしまうし、ラストもなんとなーく読めてくる。映画としては結構イタイところだったかなぁと。
悪魔の描写とかはすごい怖くてよかったんだけど、少し残念さの方が目立つ作品だったかなぁ。冒頭のお墓参りのシーンでいきなりゾッとさせられるのでどうしても期待してしまったんだけど、そこから上がることはなかったです。