まちだ

石の微笑のまちだのネタバレレビュー・内容・結末

石の微笑(2004年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

繊細で家族思いの主人公フィリップは、妹の結婚式で花嫁付添人のセンタと出会う。
彼女はフィリップを「運命の人」と呼び、お互い一目惚れした二人はやがて結ばれるが、センタはフィリップに愛の証明のためにと4つのある要求をする。
それは、木を植えること、詩を書くこと、同性と寝ること、誰でもいいから人を殺すこと、だった。



すごく面白かったです。まずローラスメットのファム・ファタールぶりが素晴らしい。
これみよがしに「狂気」を見せるのでなく、
「二人は一心同体でなくては」と語るセンタにじわじわとフィリップの境界線が侵されていく過程で、センタという人物を見せていく。その心理描写が最高にスリリングでした。
”要求”をするときのセンタのあの目の動き。あの要求はセンタにとって愛ゆえの行為なわけだけど、こちら側からみれば完全に呪詛的な何かに見える!

車の外からガラス越しにセンタがフィリップを覗くシーンも背筋が凍るような名シーン。


また語り口も見事。
例えばセンタの住む地下、義母が恋人とタンゴを踊る2階、そして結婚を申し込んだ後踏み入れる”あの3階”という建物の構造、上昇と下降で、フィリップが超えてはいけない一線を超える瞬間を巧みに見せている。

大好きな作品。また見返したいです。
まちだ

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