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カンチョリ オカンがくれた明日のkissenger800のレビュー・感想・評価

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ユ・アインが特別うまいのか、それとも脚本がよく出来ているから実は誰がやっても水準以上の評価がもらえるのか……なんにせよ、彼は作品のチョイス、外さないよねえ。
ちなみに李氏朝鮮21代国王の不肖の子と、王の生母。という孫祖母作品を先に見たのは偶然ながらたぶん正解で、今作における主人公とその母コンビの対話も、ふたりが並んでいるだけでむやみにしみじみしました。

物語の舞台が釜山なら当然あるだろ、と思っていたカーチェイスは意外に短め。それもだけど日本のヤクザとの絡みとか恋愛要素はオマケで、なんだよこれ完全にヤングケアラーの話じゃん(=あらすじを上の空で読んでいた奴)。

日本以上に「息子の嫁」が当然負うとされてきたせいで不可視だった、様々な問題がぼんやりとではあってもこういうふうに明瞭に描かれたのは意義あるよなあ。
貧困が背景の『バッカス・レディ』(2016)しかり、性的虐待にフォーカスした『69歳』(2019)しかり、核家族化がもたらした“来ると分かっていた高齢社会”の姿をエンターテイメントとして提示する韓国映画界の勇気、好きです。
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