Towa

KANO 1931海の向こうの甲子園のTowaのレビュー・感想・評価

KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年製作の映画)
4.3
🌹あちゃんと初デートムービー🌹

“甲子園に台湾代表が出場していたこと
皆さんは知っていましたか…?”


台湾の映画監督マー・ジーシアンが務め、主演の鬼コーチ・近藤兵太郎役に永瀬正敏を起用。日本統治下の台湾で勝利に無頓着な南部の弱小チーム嘉義農林学校野球部(嘉農:KANO)の部員たちと監督が志と絆のもと”甲子園”に初出場するヒューマンドラマ”実話”作品。


今、夏の熱血甲子園が真っ只中ですねー✨
今作は監督と脚本家いずれも台湾人が制作
したこと、”なぜ台湾は親日なのか”の答えも
わかる作品だと聞いて、野球のルールも
微妙な私が選んじゃいました。

内容に関しては本当に王道のスポ魂💪✨
ストレートな内容がめっちゃ見やすく
随所に秀逸なカメラワークも魅せてくれた!

しかもこの作品の為に、嘉義の街だけでなく
当時の甲子園球場まで造ってしまったという
観客席満員の圧倒的なスケールで展開する
ドラマも見どころのひとつです♪

全編、ほぼ日本語。
部員たちは拙い日本語ですが、またそれが
時代的にリアル感があってそのたどたどしさが
逆に熱意が伝わる演出となっていました。


私はまずこの二人の対照的な教師を語りたい。
1人目はバナナやパパイアなどを研究する
“生徒のオアシス”心優しき濱田先生。
2人目は、試合中に応援歌を歌う部員たちに
ブチ切れ普段から怒鳴り散らして笑顔
ひとつない”鬼コーチ”近藤先生。

このアメとムチの構図と生徒への共通愛
”希望”を持たせる2人の信念が甲子園出場へと
導くその過程をしっかり堪能してほしい。
この2人の教えがあの感動のラストで
怒涛の伏線回収してくるのでお楽しみに✨


特に近藤のある一つの行動がとても印象的。
神社で部員たちと初めて会話する場面。
「今日から俺が監督となり、俺がおまえらを
甲子園に連れて行く!!」と息巻いた瞬間、
「よろしく頼む…」と神妙な顔で部員たちに
頭を深々と下げる。。これほんと驚いた!
”近藤”という人間を即理解する事となった。

そしてその部員たちの構成は、
蕃人(台湾原住民)
漢人(漢族系住民)
日本人からなる三民族混成チーム
様々な人々から非難や差別を受けるも
近藤の「人種」など関係なく”一球児”として
接する姿勢や言動にも目頭が熱くなる。

そのひとつにこの場面が私は好き!
甲子園の土をみて感激する部員に対し
近藤は、土を自分の胸に擦り付けながら
「土は土だ。台湾の土と変わらん」と
言い放つところグッときてしまった!


もう一つこの映画で特筆すべき点は、
その夢と平行して当時の台湾情勢を織り交ぜ
灌漑事業を描いているところだ。
部員の成長と共に治水工事が徐々に
完成していくシンクロ演出にも震えた。

…しっかり中盤まで丁寧に丁寧すぎるほど
描かれた物語もついに感動のクライマックスへ…


『すべてが”一つ”となる…』


この言葉にほんと尽きると思います。。
ここはさすがに何も書きたくない、
ぜひ観て感じてほしい素敵な作品でした✨


「勝ちたいと思うな、負けられないと思え」


✧TowAchan-Works第1弾✧
Special Thanks ✩︎⡱あーちゃん
デート誘ってくれてありがと☺️✨

一口メモ:
“KANOが不可能を可能にしてみせたッ!”
はいっ!うまくダジャレが決まりました←



        🧚‍♀️



P.S.
「ちょっとだけお勉強したので
時代背景を少しお伝えしたい」

日本が植民地化していたのは周知の事実だが時代が移り変わるにつれて政策も変化。同化政策が施行されており、”台湾を日本と同様な国に”いわゆる地方のひとつとして協調をはかり創成していたとも言われている。日本語を基に学習教育が行われ、一方では鉄道やダム建設、灌漑事業等のインフラ整備が行われていた背景があり台湾を近代化させた。

その立役者たちの功績が垣間見れる
一つの作品でもあり、”なぜ親日なのか”の
疑問も少しは理解できたと思ってます。


ただひとつ気になったこと、、
この作品は、その当時の台湾情勢の
表層的な部分”光”のみを描写しており、
”影”の部分は希薄な感じがしました。。

けどエンタメとして全フリした今作。
便宜上そうしてたと思いますが英断です!


今までも日本が未曾有の危機に
瀕している時、何度も援助や支援活動に
尽力した台湾の敬意を日本人は決して
忘れてはいけないのです。

昨今、緊張状態が続く台湾問題
今後も注視していきたいと思います…


…最後まで読んでくれて
ありがとうございました🧚‍♀️
Towa

Towa