Gena

アメリカン・スリープオーバーのGenaのレビュー・感想・評価

3.0
青春を追体験させてくれる映画が好きだ。

特に自分に縁のなかった地域、クールなコミュニティー、ギークな人々、日本と異なる文化。

そういうものが出てくる青春映画に、永遠にあこがれている。

mythと原題に含まれているように、この映画は、現代アメリカで大人になるための通過儀礼を、お泊り会を通して描いているとも言えそう。

よく考えると、映画を観ているだけでも、あるあるネタはたくさん思いつく。

ざっとそのmythの項目を洗い出してみた。

・家なのに寝袋
・新学期前にやってくる転校生
・彼氏奪われ事件
・こっくりさん
・プールサイドでの煙草、ファーストキス
・当然水に落ちてびしょ濡れ
・頑張ってビールを飲む
・肝試し
・make out(いちゃいちゃ)デビュー!
・女子だけの空間に男子が訪問

多分これはアメリカのお泊り会にまつわるお約束/あるある/定番ネタだと思う。

少しだけ話をこの映画に戻すと

割とイケてる主人公マギーと、ザ・引き立て役な親友の組み合わせが気になった。


この二人が明らかに差がある存在として描かれているあたり、最近見たストレンジャー・シングスのナンシー&バーバラとそっくり。

金魚のフンは振り回される運命にある。(ときには命さえ失う羽目に。)



これって露骨にちょっとかわいそうじゃない?今後のこの手の映画では改善されるといいな。


それとハイスクールでは人気者だったけど、大学に行って転落してしまったと思っているお兄ちゃんの行動が不気味すぎ。

高校に忍び込んで、かつて自分に好意を寄せていた「らしい」双子を探す。

(区別もつかないくせに)

そこまでして自分の存在価値を確かめようとする。その一生懸命さが否定されないところはいい。

日本ではふつーに「きっも!!やば!!」って言われると思う。

それがないことが、優しさに感じた。


アメリカ映画は時々、厳しくない、思わぬ優しい価値観を教えてくれる。

『フリグズビーベア』はさらにその延長にある感じで大好きだった。
Gena

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