鍋レモン

マダム・イン・ニューヨークの鍋レモンのレビュー・感想・評価

3.9
⚪概要とあらすじ
英語ができず苦悩する主婦が一念発起して英会話学校に通い、コンプレックスを克服し生きがいを見いだしていく女性賛歌。英会話という小さなきっかけを通して人生の喜びを発見するヒロインの日々を、これまでのインド映画とは異なる語り口で描く。

ビジネスマンの夫、2人の子供のために日々家事をこなす専業主婦シャシ(シュリーデヴィ)は、家族の中で唯一英語ができないことが悩みだった。ある日親戚の結婚式の手伝いを頼まれ単身渡米するも、英語が話せないためつらい思いをする。そんな時「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告を見つけた彼女は、身内に黙って学校に通い始めるが...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“世界の幸せは ちょっとのスパイスでできている”

「妻はこのために生まれた」

⚪感想
男女差別、人種差別、言語の問題、ジェンダーと全てのことを程よく取り上げている。

シャシの努力がカッコよすぎる。こんな美しく強い女性になりたい。
たった4週間で英語なんか覚えられないんじゃと思うけどシャシの心の強さや努力を見ているとできるかもしれないと思えてくる。
そこでシャシの心を折る周りの態度。いやーイライラする。

シャシの夫が特にクソ。仕事してるだけでそんな偉いんか!奥さんにも仕事されると自分のメンツが立たんか!奥さんはお前に料理を作るためだけに生まれたんじゃないぞ!息子を見守るのは母だけの仕事じゃないぞ!お前は関係ないのか!おい!とイライラが止まらない。シャシの代わりに殴りたかった。

物語の作りが上手いおかげで最後にはイライラは吹っ飛び、綺麗に紡がれ、感動した。

シャシの姪であるラーダが可愛くて凄く気が利く。シャシを陰ながら支えていたのはこの人だったと思う。しかもシャシと同じくらい美しい。

飛行機でシャシの隣に座ったおじさんの優しさ。こういう人が居てくれると多くの人が救われるだろうな。驚いてるところが可愛かった。

カフェのシーンはかなり辛かった。海外だとこういうことあるんだろうな。英語が公用語の所に来てるから喋れるのは当たり前のことみたいな概念どうにかならないのかな。流石にカフェの人が全部の言語を覚えるって言うのは無理だけどね。観てるこっちが辛すぎて苦しくなった。
今なら音声翻訳機があるからまだいいのかな。

なんと言っても英語クラスのメンバーが素敵すぎる。人種、理由、容姿様々で喧嘩もなく暖かい雰囲気。私もこの中で英語を学びたいって思った。

英語教室仲間のフランス人シェフのローランは優しさが底なし沼で「惚れてまうやろ〜!!」ってなった。あんなに怒っても優しく受け入れてくれる心の広さ。しかもイケメン。見送りまでしてくれるし。好き好き好き好き好き。

インドのお菓子であるラドゥが気になる。美味しそう。

途中途中の曲がチャーミングだったりしんみりで楽しめた。歌詞が素敵だし、共感できるものも。
エンディングにちょっとしたダンスとで癒し。

シャシを演じたシュリデヴィさんの美しさ。こんなに目が大きくて光っている人っているんだと驚くぐらい漫画のような目。困っている時や苦笑い、悲しみの顔の演技が自然で観てる自分も同じ気持ちになる。
15年振りにこの作品で女優復帰したそうだけど2018年に54歳で亡くなってしまったそう。

素敵な映画だった。



⚪以下ネタバレ



シャシの息子が驚かしてラドゥがダメになってしまった時は呼吸がヒュッってなったけど、そのお陰で結婚式で英語をスピーチし、夫や娘を見返したの最高だった。

娘や父にからかわれてもそれでも家族を愛しているシャシが本当にかっこいい。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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