うーら

神宮希林 わたしの神様のうーらのレビュー・感想・評価

神宮希林 わたしの神様(2014年製作の映画)
3.8
樹木希林さんの生き方を少しだけ覗かせて貰えたようなドキュメンタリーだった。

一番印象に残ったのは希林さんのミニマリストであることが表れたいつくかの言動。

中でも、伊勢のうどん屋さんで女将が希林さんに法被を贈ろうとしたシーンが忘れられない。

女将「(白い法被をもってきて)これお家で着てみ。あなたお好きだと思う」

希林さん「好きじゃないんです。(手を合わせて)気持ちをいただきました。」

女将「(少し不機嫌になり)せっかく用意したのに。宮本信子さんもお家で着させてもらいますって持って帰った(ブツクサ…)」←宮本さん関係ないw

希林さん「あー、私は家では着ません。貰っちゃった方が和気あいあいで良いの。だけど粗末にしたら申し訳ないから貰わないの」

それでも「飾っておけば良い」と折れない女将さん。

希林さん「だって、着ないよそんな尊いもの。私はご辞退いたします。」

そうきたか!


下手したら相手は傷ついたと感じるかもしれないし、嫌われることなど百も承知。
それより物を粗末にすることを徹底して良しとしないところ、なかなか日本人はできる人が少ないよなと勉強になったし、感銘を受けた。

もらっても使わないもの、そういえば今までたくさんあったよな。

女将さんも昔ながらの気遣いなのだろうけど、正直しつこかったね。笑
さっと引けばスマートだったのに。

良いと思い込んで自分の価値観を相手に押し付けるようなことは、くれぐれも気をつけようと思った。

神宮の森を再生させて森の杉の木だけで建材を賄おうとしてることとかいろいろ神宮関連のエピソードもあったけど、このシーンが強烈に印象に残っている。

さすが希林さん。
ロックな妻もまた、ロックでした。