昔から音楽で一旗上げたいと野望高きジョンは、ベンチで休んでいると、目の前の海で1人の男が自殺を図ろうとしていることに気づく。その男はあるバンドのキーボードでそれを目撃したバンドメンバーが困っているところに自分を売り込むジョン。そして突如参加したバンドは謎の被り物をしたヴォーカルに情緒不安定なシンセサイザー、ネチネチ文句ばかりのギターリストとこれまたメンタル揺れ揺れバンドであった・・・的な物語。
特に被り物をしたVoの人間的な魅力と天才的な音楽性が際立つ天才系のバンド。有名になりたい気持ちなんてみな無。自分たちの音を探すために泊まり込みでドアを開ける音、棒を振り回す音を録音する日々。しかも真剣に。唯一上昇志向のジョンだけはコソコソそんな映像を撮影してはYoutubeに投稿、その異型の音楽がバズったおかげでロックフェスに誘われることに・・。
1人の凡人が、本物の天才達に出会ってしまい、火傷をしてしまう話。心優しき天才が話の通じない凡人に「お前の音楽はクソだす」と勇気を振り絞って伝える緊張感。身を切ってまで勇気を出す天才の優しさよ。そんな難しい描写が分かりやすく、なんだか生きづらい世の中に対して、優しく描かれている。
