ロビンソン

FRANK ーフランクーのロビンソンのレビュー・感想・評価

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)
3.8
え、重…笑
もっとコメディなのかと思ってたので、終盤の展開はなかなか辛いものがありました

天才であるフランク
凡人であるジョン
ずっとお面を被っているフランクをはじめ、バンドのメンバーはみんな変人

凡人と天才の差
才能は目に見えないもので、私はバンドをやっているわけではないのでどっちが才能があるのかなんてわからないです笑
でもこの映画はそんなところに焦点を当てているわけではないんですね
ジョンが主人公に見せかけて、フランクが主人公なんです
焦点を当てるべきもバンドです
このバンドでジョンは結局馴染めないままだった
ずっと拒否されてましたよね笑
もうすでに完成されていたバンドをめちゃくちゃにされた
だって彼らは音楽でコミュニケーションをとっていた
それができないジョンは、ほんとうの会話すらできていませんでした

コミュニケーションは言葉でとるものなんだけど、心で話していなければ意味ないんですよね
ちょっと変わってるけど、音楽でコミュニケーションをとるのは彼らにとって仲間になるという条件でもあるんじゃないかな

フランクがお面を被っているのは、心の中にある壁と同じようなもの
彼が語っていること、感じていることは彼自身しか本心はわからない
他人はフランクのように表情の見えない存在と同じ
彼が何であのお面を被っているのかの理由が曖昧なのは意味がある
私たちもいつしか他人と関わるうちに自分を偽るようにお面を被ってしまってる
でもそのきっかけっていつからだったのかは曖昧
ほんとの自分を見せるのを怖がってる
そしてそんな素顔を見せられるのも、ほんとに心を許している人だけ
だからこそ最後はなかなかいい感じで終わってると感じました

あと音楽業界への皮肉なんかもちょっと思いました
ほんとにバンドがやりたいこと
でも世間が求めているのは別
ジョンはバンドが売れると思っていた
確かにそれは事実だと思う
でも、ジョンが大衆に受けるように、愛されるようにバンドを無理矢理変えようとする
それってただの自己満足にもみえる

海外のバンドだと、よくメンバーがコロコロ変わりますよね
バンドの方向性の違いとかって、まさにこの映画の通りなんじゃないかな~
ただ売れたいって人もいれば、自分達の音楽を変えたくないって人もいる
でも世間はそんなこと気にしない
世間に認められることが正しいのなら、自分達の良さを消してまで媚びる必要なんて全くない
自分達が楽しく、やりたいようにできればそれが幸せだと思う

人と違うことで悩む
周りに合わせた生き方なんて、フランクのようにお面を被って生きているのと同じ
まずはお面を外して、自分を偽らないこと
それこそ自分らしく生きる第一歩
でもジョン可哀想…笑