Qちゃん

FRANK ーフランクーのQちゃんのレビュー・感想・評価

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)
3.5
これずっと観たかったんだ。アマプラサンクス!

意外と近年の作品だった。誰も知らないかと思ってたらドーナルグリーソンとマギーギレンホール出た!マギー久々に観たな。ダークナイトぶり。

明るくてカリスマも音楽的才能もある、絶対に被り物を取らない"フランク"と、一癖も二癖もあるそのバンドメンバー。そこにひょんなことから参加したミュージシャン志望のキーボード担当のジョンは、各メンバーのクレイジーさとそのぶっ飛んだ生活に度肝を抜かれつつも、フランクの才能に感嘆し、バンドを有名にしようと画策する。

初めはとにかくあのお面のシュールさとインパクトに気を取られて、笑わざるを得ない。デカすぎて画面からはみ出してるし!ビニール被ってるシャワーシーン、あんなん笑うしかないやろ!

そして、徐々に浮き彫りになってくる、大胆不敵で傍若無人、はちゃめちゃに思えた各人の、繊細さと脆弱さと寂しさ、自信のなさ。

特にフランクは、人に理解があって、誰よりも純粋で優しい分、与えられたダメージが致命傷を遥かに超えても、相手を突き放さず、心の片隅で夢を見続けているのが、とにかく辛い。正直、後半辛すぎる。てかジョンがサイコパスに見えてくる。無意識な分、なおのことタチが悪い。ふざけんなよハックス!←

ここへ来て、なぜジョンが他のメンバーから不必要なほど敵視されてたかが見えてくる。
そして、ひとの生き方、人生の在り方について、思いを馳せる。

自分たちが1番やりやすいやり方を模索して今の形に落ち着いて満足していた彼らに、ただ普通にバンドマンとしての成功を夢見たジョンの言動は、毒でしかなかったのではないか。
この舞台において、本当にイカれているのは、彼らなのか、功名心に塗れたジョンなのか。

傍からみればウケ狙いのイロモノバンド。
ジョンにとっては、勝手に夢見たカリスマバンド。
本当は、生きにくい世界で唯一自分たちが自然に息をできる、バンドメンバーたちのただの生息地でしかないのに。

ここまで重いとは思ってなかったけど、シュールな笑いから苦しく切ない想いまで、独特の奇妙な歌と雰囲気で網羅されてる、不思議な作品だった。

ちなみに、私はこの歌のテイストは全然ダメです。フランクごめん。

え!ビックリなんですけどこれモデルいるの!?しかもほぼまんまやん!!フランク・サイドボトムさん。へーー!!そしてなんと、本作の脚本家のジョン・ロンソンは、元フランク・サイドボトムのバンドのキーボード奏者!!なんということだ。。
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