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トラフィック/ぼくの伯父さんの交通大戦争の一のレビュー・感想・評価

3.8
フランスの喜劇王 ジャック・タチ監督作品

交通戦争に巻き込まれ、四苦八苦する“ユロ氏”を風刺を利かせて描いたコメディ

まさにジャック・タチ作品をみてるなぁと常に感じさせてくれるような作品で大満足

おフランス感のある上品なコメディで、何気ない日常の中でもあらゆるシーンがとにかく楽しく魅せてくれる絶妙なバランス感覚は、ジャック・タチ作品固有である抜群のセンスの良さ

いつも通り主人公のユロがドタバタに巻き込まれるというか、巻き込むというか…
渋滞・故障・事故と、車の運転でストレスになることがこれでもかと繰り広げられるんだけど、そんないらつくような描写でも、ジャック・タチの手にかかれば絶妙におもしろおかしいシーンへと昇華されてしまうマジック

比較的無機質な美術が多い過去作に比べると、本作はユーモラスかつポップで、カラフルで鮮やかな色味の可愛らしいポイント多め

当然風刺も含まれるけど、そんなの関係なく楽しめるし、独特なリズムで展開されるオフビートな世界観は唯一無二
おもしろギミックも満載だし、わんちゃんの活躍も最高

個人的にはワイパーのシーンのシュールな感じががいちばんすき

とにかくラストカットまでずっと面白いのでニヤニヤが止まらない
ぼくの伯父さんシリーズの中でも、一番シンプルにわかりやすくおもしろい作品なんじゃないかなと

〈 Rotten Tomatoes 🍅95% 🍿77% 〉
〈 IMDb 7.1 / Metascore - / Letterboxd 3.6 〉

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