LalaーMukuーMerry

ゲッタウェイのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)
4.0
銀行強盗をして大金を持って逃走し、テキサスからメキシコ国境を越えようと逃げ回る夫婦、二人を追う警察、仲間割れした男、強盗計画をたてた黒幕悪党たち・・・、登場する人物はほぼ全員ロクなもんじゃない。銃撃シーンとかもなかなかリアル。
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全体をふりかえってみても、やっぱりロクなもんじゃないと感じたのだが、結構評価が高いのは、主演の二人のネームバリューのおかげかしらん? 子供の頃何度も見た「大脱走」のスティーブ・マックイーンはアウトローっぽい悪ガキがそのまま大人になったようなかっこいい俳優の代表。テーマ曲だけはよく聞いて頭に刻まれた「ある愛の詩(うた)」のアリ・マッグローはよく知らないけれどなんとなくステキな女性という印象のお方。
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大雑把なストーリーはただ逃げるだけで、その途中でも酷いことをする二人(酷い目にも合うけど)。そんな中、二人の愛情がだんだん深まっていくので、ハラハラしながら感情移入していた観客にとってホッとするあのラストがいいのでしょう。銀行強盗をして逃げ回る男と女という大枠で見ると、「俺たちに明日はない」とよく似た話ですが、あっちの衝撃的なラストとは真逆の、この作品全体のトーンとも全然違う、とても平和な雰囲気ですから(悪者なのに、これでいいのかという意見もありますが・・・)
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監督サム・ペキンパーの名前はよく聞いた気がするが、ちゃんと作品をみるのはこれが最初。もう少し他のも見てみることにしよう(「ワイルドバンチ」「ガルシアの首」「戦争のはらわた」…)