【短】フェイク・ドキュメンタリー映像作家として日本を代表する白石晃士監督、その名を世に知らしめた『コワすぎ!』シリーズの第六作品名にして劇場用作品。
中盤までは、アイドル、霊能力者、霊現象に懐疑的な学者の三人で心霊スポットにロケに行くという白石監督の過去作『ノロイ』にも見られた、あくまで王道なフェイク・ドキュメンタリー・ホラーをなぞりますが、中盤以降は今までの『コワすぎ!』シリーズで語られた伏線を全て回収する勢いの非王道的なブッとんだ展開に飛躍する一本です。この飛躍の仕方(監督のやりたい事)と予算が見合っていない状況を、「『コワすぎ!』シリーズらしい愛おしさ」と捉えるか、「金返せ」と捉えてしまうかで好き・嫌いの振れ幅が大きく揺れる作品でもあります。
もちろん『コワすぎ!』シリーズは、単体の映画(映像)作品で楽しむというよりドラマシリーズとして楽しむ作品であるということも特筆しておきます。
今作で『コワすぎ!』シリーズ6作品目ですが、いかに当初から伏線をじっくり貼っておいたのかが分かる驚愕のラストまで、個人的には愛おしい作品でした。