スクラ

消えた画 クメール・ルージュの真実のスクラのレビュー・感想・評価

3.5
<歴史の一部としては必見>

最近、映画で過去に起こった/現在起こっている紛争・民族問題を題材にした映画を観る機会が多かったので、こちらの作品も気になって観てみた。

ポル・ポト政権、クメール・ルージュ、なんだか聞いたことあるなー、ぐらいの浅い知識しかなかったので、
この映画でポル・ポト政権下の残虐行為の一端を知れた。

ポル・ポト政権の時代の映像や写真って当時の政権に都合の良いものしかほとんど残ってないんだって。
そのため、この映画も土人形(政権下の犠牲者が埋まっている大地を使用している生々しい不気味さがある)と残っている僅かな映像を駆使して作られた物語。

「たとえ画が消えても、人の心からは消せない」
劇中のこの言葉が重かった。心に刻まれた当時の過酷な日々は、土人形に写し取られ、当時を語っていく。

面白いかどうかで聞かれたら、とってもつまらない。でも、約1時間半、目を離してはいけないような感覚に囚われ、哀愁漂う土人形と監督の独白で進む物語を見つめていた。
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