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LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標のYMKのレビュー・感想・評価

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テレビシリーズ「LUPIN the third ~峰不二子という女~」に携った小池健が手掛け、アニメ版第7作として連ねる。地元のトップクリエイターとして大好きな監督であるのに、地元で上映しなかったため諦めかけていたが、ようやくレンタルできたので今回鑑賞。

小池監督のルパンは痛快なほどクールでアダルト。コミカル調が耳障りなほど、落ち着きと渋さに満ちているが、時折みせる勢いと迫力のシーンは作画も一味違ってくる。線と色彩で魅せる静と動のメリハリが小池ルパンに合っている。

次元大介をメインとする作品だが、なんだかんだで主要キャラクターすべてに魅力を感じるように描かれている。行動や仕草、セリフなどキャラクターの特徴に相応しいものになっていて、次元にしか出来ない見せ場にならざるを得ない物語が今作という感じ。しかし、ストーリは案外単純で五右エ門が出てこない。それを補って余りあるルパンと次元 不二子の存在感とラストに出てくる意外なキャラ。コンパクトなストーリーであるのに、そこに繋がるのか!?という大きなトラップにひっかかった感覚。

次元というキャラクターはどの作品になっても際立つ渋さがあり静かに熱くなる男。しっかりとプライドを持つが、自分の立場を逸脱した行動はしない。終盤の次元のスキルを目の当たりにする展開に痺れ、敵との早撃ち対決に痺れ息をのむ。

狙撃や早撃ちのために技術力で効率を上げたやり方に対し、自分のスタイルを崩さず真っ向から挑む次元。個人的には、今までぱっとしなかった流行廃りでつくってきた「歴代ルパン作品に対して」、次元を通じて投げかけるメッセージに思えた描写である。

「ロマンに欠ける・・・。」このセリフにとてもハッとした。

キャラクターの描写、街並み、物語のシステム、音楽、すべてに独特のセンスの塊をぶつけて来た。
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