Ryu

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のRyuのレビュー・感想・評価

3.9
“時として、誰も想像しないような人物が、想像できないような偉業を成し遂げる”
第二次世界大戦時、ドイツが誇る世界最強の暗号に挑んだ数学者 アラン・チューリングの実話に基づいた作品。

第二次大戦という状況下で、チームで強敵に立ち向かう、これだけでかなりアツい物語なのに、そこに同性愛者の一人の男の人生が見事に組み込まれていて、色んな感情を抱きました。変わり者で最初は仲間たちとも上手くいかない。わかってはいましたが、やはり、分かり合えて、一緒に成功を喜べる、最高ですね。しかしそんな成功も公にされることも無く、自身はただ苦しみ続ける。そんな彼の苦しみがベネディクト・カンバーバッチの素晴らしい演技から痛いほど伝わってきました。助けれる人を助けられない。わかっているのに何にもできないもどかしさ、それをチーム以外には一切公言できない窮屈さ、そして同性愛者であることを隠し続ける苦しさ。偉人のはずなのにこんなにも報われないなんて辛すぎる。そんな彼を支えるキーラ・ナイトレイ演じるジョーン・クラークがめっちゃイイ!彼女の言葉一つ一つに愛があり、胸に突き刺さってきます。彼女がいなかったらアランはさらに苦しんでいたのではないでしょうか。ラストのシーンからは“エニグマ”と戦ってきた期間の儚さ、そしてアランの数奇な人生があの紙たちに詰まっているように思えました。頭脳を使って戦争を戦い、現代のコンピュータの基礎を創りあげた一人の偉人を知ることができてホントに観てよかったと思える作品でした。
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