チューリングマシンという言葉と、チューリングという人の名前はコンピュータ関係の何かで読んで知っていたけれど、コンピュータ開発の裏にこんな凄い歴史秘話があったとは。ものすごく引き込まれる話だった。どんなスパイものよりずっと面白かった。
科学・民生機器のイメージしかないコンピュータだけれど、開発当初は軍事としっかり結びついていたんだな。装置を作り上げて、ナチスの暗号を解読するまでの苦労も凄いけれど、解読に成功した後の諜報機関を挙げての極秘対応ぶりが、平和な日本では想像もつかないレベルなのに驚く。情報の価値はそれだけあるってこと。さすがMI-6、さすがイギリス。
彼の死後50年も暗号解読マシンの存在すら秘密にされていた…。それでも公開されたのだからよしとすべきか、でも彼の名誉が回復されたのがつい最近というのもなぁ。
コンピュータは大発展を遂げ、今やサイバー戦争の時代に突入だ。コンピュータの進歩はここまで来ると、天才チューリングは予想していたのだろうか?