第二次世界大戦中、ナチスの最強暗号機エニグマの暗号解読に挑んだ天才数学者アラン・チューリングの人生を追った伝記映画。監督はモルテン・ティルドゥム。感想を箇条書きにて記す。
・超難解な内容をテンポ良く、誰でも分かるように描いた脚本が見事
・アラン・チューリングの人生を時系列をバラバラに見せる構成が良い
・ベネディクト・カンバーバッチは天才故の孤独を持つキャラ・男色キャラを演じさせたら右に出るものなし
・仲間との信頼を得る過程や閃きの場面など、上手く行きすぎ感が否めない
・終盤のある一言が腑に落ちないが、最期のエンドロールには涙
・本作のキーラは可愛くないキーラ
全体として良く出来た一本だと思うし、観ている時は楽しめたのだが、観終わった後に感想が浮かばない。誰からも好かれそうな優等生だが、ガツンとくるものがなかったためか。天才、障害、トランスジェンダー、第二次世界大戦、ナチスとMI6、いくらでも描こうと思えば重く衝撃的な作品に出来た気がする。万人に受ける最大公約数的な映画だったが、個人的にはもっと棘のある作品を期待していただけにそこは残念だった。